手術看護

手術看護の課題

僕が考えるに、手術看護には大きな3つの課題があります。

 

その課題とは、

 

  1. 手術看護系統的な基礎教育が行われていない
  2. 手術室看護師には多くの診療科に関する知識が求められる
  3. 手術室は院内だけでなく社会的に閉鎖的

 

今回の記事では、この3つの課題と、課題が生み出す大きな問題について語ろうと思います。

 

系統的な基礎教育が行われていない

看護教育は、

  • 看護基礎教育
  • 看護継続教育

この2つに分けられます。

基礎教育は看護学校における教育、継続教育は看護師になってからの実践的な教育を指します。

 

手術看護というのは、実は看護学校で学ぶことがないんです。

 

急性期や周手術期、看護学校によっては手術室実習を取り入れている場合もありますが、間違っても「手術看護学概論」なんていう授業は絶対にありません。

 

不思議じゃないですか?

 

男でも母性看護学概論を学ぶのに、なぜ手術看護学概論は学ばないのか。

 

日本の看護基礎教育から手術看護が消えた理由は、第二次世界大戦後のGHQの介入に始まり、国内における手術室の中央化でさらに加速します。

手術看護に関する看護基礎教育が行われていないことの何が問題なのかというと、1人の手術室看護師を育てるのにかなりの時間を要するというところです。

基礎的な知識もないわけですから、手術室看護師になったその日から、看護継続教育とともに基礎教育を行わらなければならない。

 

だから、時間がかかるわけです。。

 

手術室看護師として1人前になるまでの時間が長ければ長いほど、途中で異動したり脱落していってしまう可能性は高くなります。

そのため、最近では若い手術室看護師の離職率が高い印象があります。

 

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多くの診療科に関する知識が求められる

手術室看護師の教育に時間がかかる理由は、看護基礎教育が行われていないことだけではありません。

 

手術室では、手術を必要とする全ての診療科に関する解剖生理、疾患に関する知識が必要です。

さらに、麻酔に関する深い知識、救急分野に関する知識も求められます。

 

これは手術室だけでなく、ICUなどのユニット系病棟にも共通するかもしれません。

 

手術看護に関する基礎教育を行いながら、実践的な教育ではいくつもの診療科の、いくつもの術式を覚えなければならない。

 

1人の手術室看護師を育てるには、かなりの時間を要するのです。

 

施設内だけでなく社会的にも閉鎖的

手術室は、物理的に閉鎖的な空間です。

 

物理的な閉鎖空間であることにより、施設の中ではその他の部署との交流が極端に少ないのが現状です。

 

手術室の中で行われていることは、手術室側から発信しない限り知られることはありません。

 

このような現状によって、手術看護は看護という1つの社会の中でも閉鎖的な分野となってしまっています。

 

看護系の学会や研究会は数多く存在しますが、手術看護に関して言えば「手術看護学会」しかないわけです。

 

急性期病院という施設の中でも、さらに看護という社会の中でも、手術看護は非常に閉鎖的なコミュニティになってしまっているのです。

 

3つの課題による弊害

紹介した3つの課題により、どのような問題が起こっているのか。

 

  • 統一された教育がない
  • 学ぶことが多過ぎる
  • 閉鎖的過ぎる

 

 

個々の能力やスキルではなく、経験年数がモノを言う

 

 

根拠ではなく、経験年数がある人たちの価値観がルールになる

 

このような構図があるから、真剣に勉強している人や真面目に頑張っている人たちが痛い目を見る。

 

痛い目にあった人たちがやる気を無くし、やる気を無くした人たちの思いが巷に溢れているから、手術看護に打ち込もうと思わず、お金を稼ぐためのツールとして看護師をする人たちが増える。

 

負のPDCAサイクルが回りまくっているのです。

 

どうにかしなきゃならないですね。。

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