キャリアアップ

「看護管理」は実践と全く別の分野だから、簡単に批判しないでほしい

看護管理者への不満は、はっきり言って尽きません。

 

「もっとこうすればいいのに...」

「何でこんなやり方なんだろう...」

「管理者ってずっと座ってるから実践能力ゼロでしょ」

 

誰もがこのように感じるだろうし、僕だって同じ。

 

 

だけども、看護管理の仕事というのは看護実践とは全く別物。全く別の職種だと考えた方がいい。

 

だから、管理の知識や経験が全くない看護師が管理者を批判するということは、看護師がデスクワークのOLさんを批判するのと同じ。

 

全く別の職種に物申すには、相手に歩み寄ることも必要です。

 

看護管理者はなぜ椅子から立ち上がらないのか

看護管理者って、ただ座ってデスクワークをしているだけに見えない。

 

僕も看護師5年目くらいの時は、

 

 

「管理者になるとお尻が椅子にくっつちいゃうんだよ」って後輩に言ってました。

 

 

ところが、実際に管理の仕事に携わってみると、その考えは180°変わりました。

 

 

椅子から離れたくても離れられないことがとてつもなく多いんです。

椅子から離れられない理由は、「一旦休憩」みたいに、途中やりのまま業務をストップさせることができないから。

 

看護実践者は目の前の患者さん、あるいは多くても数人の患者さんを相手にしますが、看護管理者は自部署の全ての患者さんを管理します。

それに、今日1日の患者さんだけでなく、明日や明後日の患者さんも管理しなければなりません。

 

手術室では手術の効率的な受け入れ、病棟ではベッドコントロール。

一度に数十人の患者さんを動かさなければならないので、途中までやって一旦ストップすると、患者間違いなどのミスを起こしてしまいやすいんですね。

 

その他にも勤怠管理やルールの標準化など、看護実践者の目には見えない仕事をたくさんしています。

 

はっきり言っておきますが、看護管理者は大変です。

 

看護管理と看護実践は全く別物

冒頭にも言いましたが、看護管理と看護実践は全く別物。別の職種だと思ってください。

 

まず何より、患者を見る視点が違います。

 

看護実践者は目の前の1人の患者さんに対して意思決定を行いますが、看護管理者は何十人もの患者さんに対して意思決定を行います。

だから、必ずしもひとりひとりの患者さんにベストな意思決定ができるとは限らないんですよね。

 

病院というのはひとつの組織であり、たくさんの患者さんが集団生活をする場。

時には患者さんの思いを犠牲にしなければならないこともあります。

 

看護管理者は実践を経験している

 

「もっとこうしたらいいじゃないですか」

「何でこうしないんですか?」

 

なんて思うことは多々ありますよね。

 

このような実践者からの言葉は業務改善の手がかりなので、管理者は実践者の声を何より大事にしなければなりません。

 

だけど、どうしても受け入れてあげられない時があります。

 

自分の意見が受け入れられなかった時、実践者は否定されたと感じます。

だから、管理者は言葉を選んで実践者とコミュニケーションを取らなければならないのですが、実践者側にも、忘れてはならないことがあります。

 

それは、管理者も僕たちと同じように実践を経験してきた人達であるということ

 

管理者は多くの場合、僕たちよりも看護実践の経験が多いはず。

僕らが実践上感じるジレンマや疑問は、管理者も同じように経験しているのです。

 

経験しているけど、いざ管理の仕事をしてみると、受け入れられないことがあるのです。

 

管理を経験したことがない方も、管理に携わった時、はじめて気付くと思います。

 

「昔はこんなこと言ってたけど、こんなの無理だ...」

「師長が言っていたことって、こういうことだったのか」と。

 

看護実践者がすべきこと

実際に管理に携わってみると、めちゃくちゃ大変です。

 

看護実践、特に手術室では、担当する手術が多いほど肉体的なダメージというか、労働疲弊しますよね。

管理者はこのような肉体的なダメージは確実に少ないですが、精神的なダメージはかなりデカいです。

 

どれだけ頑張っても、批判やクレームの嵐です。

 

 

かと言って僕は、

 

「管理者は大変だから少しは気持ちを分かってやれよ」

 

って言いたいわけではないんです。

 

僕は、

 

 

「管理者って大変ですよね。管理に携わってみてよく分かります。だけど、あなたには無駄が多い。僕なら手術を担当しながら、同じ業務をこなすことができます」

 

と言ってやりたい。

 

 

実践者の気持ちは、管理者にもよく分かります。

だけど、管理者の気持ちは、実践者には分からない。

 

だからこそ、双方の気持ちが分かる管理者が、実践者に歩み寄り、実践者に近いところで辛さを分かち合ってあげなければなりません。

 

そして何より、管理者を批判すること以上に大事なのは、

 

 

自分が管理者になった時、実践者に近いところで多くの業務をこなし、話を聞いてあげられるか

 

ということ。

 

 

管理者になってから勉強を始めたのでは、一生かかっても管理スキルは身につきません。

 

管理者への批判、

 

どうぞ好きなだけ吐いてください。

声を大にして、吐き続けてください。

 

だけど、それと同時に、スキルを学びましょう。

 

 

批判的な意見があるということは、職場を良くしたいと思っているということ。

決して、声を絶やしてはいけません。

 

そしてその声を、自分の成長材料として利用しましょう。

 

批判的な意見が自分の中に増えてきた今だからこそ、スキルを学ぶ絶好のチャンスです。

 

看護の職場を変えていくのは、間違いなく批判的な意見を持っている僕ら中堅の看護師です。

 

意見するだけでなくスキルを学び、明確な意図を持って管理者に物申してやりましょう。

 

今の管理職は、知識がないまま役職をつけられ、実践の中で管理を学んだ人達。

 

だから、業務改善が遅いんです。

 

こうならないためには、先行して知識をつけておくことが必要です。

 

役職が付いたとき、あるいは役職が付かずとも、明確な意思とスキルで業務改善していけるよう、今から学びましょう。

 

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